マークスの山

高村薫著の 第109回直木賞受賞作。(参考:Amazon CAPTCHA)上下巻合わせて800ページくらいを二日掛けて読了しました。
たまにはひぐらし以外のミステリーをと思って読んでみたんですが、読み終わって、いったいこれってミステリーなのかな?よくわからなかったです。それよりも警察内部の意地やら葛藤やら面子やらが熱く濃く描かれていて分量にもかかわらず、最後まで気分よく読めました。何より恐ろしいのは登場人物のほとんどが警察を始めとする男性であり、女性はほとんど2人しか出てこないのに作者が女性であることかな(最初は名前にすっかり騙されてました)。犯人は(精神に支障をきたす人間であることは)読者には最初から判っており、ほとんど証拠が0の状態から犯人を追い詰めていくのが「砂の器」(松本清張)に似たスリルを味わえました。